雪が降る 3.11


3.11 雪が降った


夜になって突然雲が切れて

とんでもなく星が明るく輝いていた

そんな空を見あげたのは

簡易トイレを組み立てていた時

星明りってこんなことなんだな・・・と

全く関係ないことを思っていた


避難所設営の作業は公務員の役目のひとつ



防災無線が繋がらない

非常物資の倉庫が開かない

来るはずの消防は来れるはずもない

マニュアルが役に立たない


何をするべきか

自分で決めていく


揺れはふいに来る 何度も何度も・・・

落ち着け! 何度も自分に言う

本当は怖い

油断すると奥歯がガタガタする


揺れも怖い

ひとりで決めるのも怖い


「照明の下は注意してください。」

「靴は脱がないでそのまま入ってください。」

「お互い様です。朝まで頑張りましょう。」


何回言っただろう・・・


夜明けまであと何時間?

時間が長い

HNKのラジオで被害の大きさが流れる


消防団の方が投光器と暖房機を運んでくる

明かりは

避難所の空気を変える


当たり前のことが当たり前ではない

誰も経験したことがない、当たり前では無いこと

誰もが

ただ自分という存在で経験していく



同じ3月の1日付けで

特定疾患患者に認定された

3月11日 午後2時46分

前日から高熱で寝込んでいた

本当は動ける状態では無かったと思う

それから鎮痛剤をどれくらい使っただろう

考えたくない量であることは間違いない


たくさんの人が

震災で人生が変わった

生き方が変わった 

価値観が変わった


たくさんの人がナニカを抱え

ナニカを生きようとしていた


今もナニカを抱え

ナニカを生きようとしている


3.11